1月15日の新聞発表によると、2023年の名目国内総生産(GDP)で日本がドイツに抜かれ、世界4位に転落することがほぼ確実になったとのこと。
現状の日本では、私たちの生活は給与は上がらず、物価だけが上がり苦しい生活を強いられているため、なっとくする報道かなと感じますが、そもそもGDPは何?いままで日本はGDP3位だったの!などわからないことが多いです。
そこで今回は、日本のGDPがドイツに抜かれ4位転落をわかりやすく解説していきます。
日本のGDPが4位の下がった!
日本のGDPがドイツに抜かれ4位に下がったとの報道がありました。
日本は、1968年に西ドイツ(当時)を国民総生産(GNP)で上回り、世界2位の経済大国になったが、2010年にGDPで中国に抜かれ3位になっていました。
とうとう今回、2023年実績でまたドイツに抜かれ、4位へ転落することが確実になってます。
今までの世界のGDP順位 | 現状の世界のGDP準備 |
---|---|
2位、中国 3位、日本 4位、ドイツ 5位、インド | 1位、アメリカ2位、中国 3位、ドイツ 4位、日本 5位、インド | 1位、アメリカ
GDPとは何なのか、なぜ大切なのかわかりやすく解説!
では、ここからは日本のGDPがドイツに抜かれ4位転落になった解説ををわかりやすくしていきたいと思います。
2023年実績でGDP順位が日本はドイツに抜かれ4位に転落すると言われています。なんか日本はこのままダメになっていくのかなとの悲しい気持ちになりますが、そもそもGDP順位が何なのか理解は出来ていないかもしれません。
GDPとはどんなものなんでしょう?みてきましょう!
GDPとはどういう意味なのか
GDPを日本語に直すと国内総生産といいます。(ほんと大まかに言うと、その国の売上をイメージしてください)
英語では、Gross Domestic Product(グロス・ドメスティック・プロダクト)であり、GDPは頭文字をとっています。
経済用語の説明では、
国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額
といいますが、なんのことがいまいち理解できないですね。
簡単言うとその国において、
- どれだけのモノが作られたり
- サービスが生み出されたか(*1)
ということです。
「国内総生産」の生産の中には、下記のようなサービス(*1)が含まれています。物を作ることだけではないのです。
サービス業の代表的な職種
- 販売員
- ホテルスタッフ
- 美容師
- クリーニング店スタッフ
- 調理師
- 飲食スタッフ
- 娯楽業の店員
- キャビンアテンダント
GDPの付加価値
GDPは、国内で生み出された付加価値の合計のことですが、この「付加価値」とはいったい何でしょう?ここはしっかり理解しておいた方がいいです。
上記の図で解説すると、
①農家が小麦を育てて100円で売ると、これで100円の価値が生まれます。
②これを製粉場が仕入れて150円で売ります。そこで50円の価値が生まれます。
③パン屋さんが300円で売ると、これで150円の価値が生まれます。
①から③を合計したものが、付加価値の合計300円となります。
このように生み出されたモノやサービスが数字でわかります。
もともとGDPは国の生産力を測るために発明された考え方で、これで現在のその国の経済力がわかり、これを毎年算出することで成長度合いが把握できます。
GDPの世界各国比較
これを各国が同じ計算方法をとることで、各国の経済力を比較することができます。
このGDPの考え方は現在でも世界各国の経済を考えるうえで、基本的な大切な指標ですね。
『実質GDP』と『名目GDP』について
また、扱う量が変更なくても、物価が上がればその分数字がプラスになるのでGDPは増えたことになります。これを『実質GDP』といいます。
尚、物価が考慮しないものは『名目GDP』といいいます。
例で説明すると、GDPが100兆円から105兆円増えた場合には、実は物価上昇率が5%だった場合は、実質GDPは増えず、名目GDPが5%増えたことになります。
これは、実質成長率は0%となります。実質GDPが全く増えていなかったとの結果。
インフレ時は、実質GDPで見た方が正確な成長率を把握することになります。
GDPは人口が多いほど高くなる傾向
GDPは量✖️価額のため、人口が多いほど高くなる傾向にあります。人が多い方ほど多くのモノが作られ、多くのサービスがされます。このことから、人口の多い中国やインドは高いGDPとなっています。
日本は経済規模も大きく、人口もまだ1億2000万人であり世界でもトップクラスのGDPを誇っていましたが、2023年にはドイツに抜かれたようです。
日本がGDP4位転落理由
GDPは人口が多い方が高い数値なります。このため「一人あたりのGDP]の方が実態に合っている場合がおおいです。
実はこの「一人あたりのGDP]で日本をみるとすでに32位とトップクラスの位置にはいないのです。
このことから、日本の潜在的な経済力はこの30年ですでに中ぐらいまで落ちています。
為替レートの影響も大きい
為替レートは、世界の主要通貨ドルで単位が統一してGDPを測ることが多いです。
この場合は、
為替が1ドル=100円の場合、GDPは円ベースで100兆円の場合、ドルベースでは5兆ドル
為替が1ドル=130円の場合は、GDPは円ベース100兆円の場合、ドルベースでは0.6兆ドル
とドルベースでは0.4兆ドル減少したことになります。円安でGDPが減少したことになります。
ドイツの2023年予想の実質経済成長率はマイナス0.4%となっていて、経済は厳しい環境なんですが、下記理由より、日本をGDPで抜きました!
大きな要因としては、下記2点になります。
- まず、為替で日本が大きく減価した一方で、ユーロは高くなったことが要因。
- そして、ドイツの国内の物価がものすご上がったことが要因の2つ目となります。
ただ、日本がこの30年低迷したのに比べ、ドイツは経済成長を着実の進めてきた面は大きくあります。
GDP日本への影響は?
日本は今後GDPを増やしていくのは、厳しい環境下にあります。
それは、第一に人口減少が早すぎるとの現状問題です。特に働ける人の人口が急速に減っています。
1995年8,716万人 → 2023年7,395万人 *15歳から64歳までの働くことができる人(生産年齢人口)
他国の先進国でも人口減少の傾向は変わらないが、他国は人口減少を移民で補っていることで人口減を食い止めています。
日本は、女性の社会進出、高齢者の勤務の延長などで対応してきましたが、全く人口減少分を補っていません。今後も高齢化社会で消費は低迷(年金暮らしで消費に回らない)し、若者も減少するとともに、社会保険費が増えて消費を控えるため、GDPは今後高くなる見込みは少ないでしょう。
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